甲状腺疾患治療薬は、体内に不足している甲状腺ホルモンを補う薬剤(甲状腺ホルモン剤)と甲状腺機能を抑制する薬剤があります。甲状腺機能が低下している場合には、甲状腺ホルモン製剤であるチラーヂンSやチロナミンが、甲状腺機能が亢進している場合には、メルカゾールやチウラジール(プロパジール)などの甲状腺ホルモン合成を抑制する薬剤が使用されます。
その他、ヨウ化カリウムは、甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症の両方に使われることがあります。


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1 甲状腺ホルモン製剤 ▼ 写真をクリックすると効能や特徴がご覧になれます
チラーヂンs25チラーヂンs25チラーヂンs25チロナミンヨウ化カリウム
2 抗甲状腺剤
  メルカゾールチウラジール

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1 甲状腺ホルモン製剤
  チラーヂンS:甲状腺ホルモン補充
チロナミン:甲状腺ホルモン濃度をアップ
ヨウ化カリウム:甲状腺機能亢進症の治療
2 抗甲状腺剤
  メルカゾール:最もよく使われる抗甲状腺剤
チウラジール(プロバジール):メルカゾールの使用ができない場合の抗甲状腺剤

 



1 甲状腺ホルモン製剤
●チラーヂンS

 甲状腺ホルモン補充療法で最もよく使われる薬剤です。チラーヂンSはthyroxine(T4)と呼ばれるホルモンで、体内でtriiodothyronine(T3)と呼ばれるホルモンに変換され、作用を発揮します。この薬剤は、甲状腺ホルモンの量が普通より少ない場合それを補うため、また、甲状腺が肥大しているとき、甲状腺刺激ホルモン(TSH)を抑制し、甲状腺の縮小を目的として投与されます。


..服用方法
  1日1回、朝食後に服用します。
少量から始め、徐々に増量していきます。増やす量や増量する時期は、症状に応じて決められます。飲み始めて、すぐに効果が現れる訳ではありませんので、決められた量をしっかり飲み続けて下さい。
スクラルファート(アルサルミン)、アルミニウム含有製剤(マーロックスなど)、マグネシウム含有製剤(酸化マグネシウムなど)、コレスチラミン(クエストラン)、鉄剤(フェロミアなど)は、チラーヂンSの吸収を妨げ、効果が減弱することがありますので、服用時間を8時間以上あける必要があります。
妊娠した場合にも服用を勝手に中止してはいけません。妊娠したかな?と思ったら、すぐに主治医に相談しましょう。

..副作用
  元々、体の中にあるものですから、副作用は少ないです。ただ、飲む量が多すぎると、動悸がする、汗をかきやすい、手指がふるえるなどの症状が現れることがあります。このような症状がみられたら、すぐに主治医に連絡しましょう。

チラーヂンs25 チラーヂンs50 チラーヂンs100
チラーヂンS-25mg チラーヂンS-50mg チラーヂンS-100mg

●チロナミン
T3製剤。
効果発現は早いが、体内からの消失も速く、効果は長く続きません。すぐに甲状腺ホルモン濃度を上げたいときに適しています。
服用方法、副作用については、チラーヂンSと同様です。

チロナミン チロナミン:5mcg

●ヨウ化カリウム
甲状腺機能亢進症の治療に短期的に使われます。

ヨウ化カリウム ヨウ化カリウム






2 抗甲状腺剤
●メルカゾール

最もよく使われる抗甲状腺剤です。抗甲状腺効果は、後述するチウラジール(プロパジール)より10倍以上強いといわれています。
甲状腺ペルオキシダーゼという酵素の働きを妨げることによって、甲状腺ホルモンであるT3、T4の合成を抑制します。


..服用方法
  初めに大量投与し、甲状腺機能を安定させ、その後漸減して維持療法とします。
 通常成人に対しては、初期量1日20mg(4錠)を2回に分けて服用します。機能亢進症がほぼ消失したら、1〜4週毎に漸減し、維持量1日5〜10mg(1〜2錠)を1回服用します。

..副作用
  発疹、蕁麻疹、そう痒感などの皮膚過敏症が最も多い副作用ですが、ほとんどの場合、抗ヒスタミン剤の併用で対応可能です。
 頻度的には低いですが、細菌などから体を守る働きをする白血球の数が減ったり、無くなったりする無顆粒球症という副作用が発現することがあります。無顆粒球症の初期症状である発熱、全身倦怠感、咽頭痛などが認められたら、すぐに主治医に連絡して下さい。
 また、肝機能障害、黄疸、SLE様症状(発熱、紅斑、筋肉痛、リンパ腫脹、脾腫等)、インスリン自己免疫性症候群による低血糖の報告もありますが、頻度的には低いようです。
なお、インスリン自己免疫性症候群による低血糖はメルカゾールに特有なもので、チウラジールでは認められていません。


メルカゾール メルカゾール

●チウラジール(プロパジール)

抗甲状腺剤としては、メルカゾールが第一選択薬となりますが、メルカゾールに過敏症がある場合やメルカゾールで副作用が発現した場合には、本剤が処方されます。また、乳汁への移行が少ないので、妊娠した場合にはメルカゾールから切り替えられることがあります。
チウラジールもメルカゾールと同じように、甲状腺ペルオキシダーゼという酵素の働きを妨げることによって甲状腺ホルモンT3、T4の合成を抑制しますが、それに加えT4からT3への変換も抑制し、抗甲状腺作用を示します。


..服用方法
  メルカゾールと同様に1日4錠から始め、漸減して維持量として1日1〜2錠を服用します。

..副作用
  メルカゾールとほとんど同じです。


チウラジール チウラジール:50mg







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