糖尿病治療の中心となるのは、食事療法と運動療法です。しかし、それだけでは血糖コントロールが十分でない場合には、お薬を使った治療が必要となります。お薬を使い始めても、治療の中心が食事療法と運動療法であることに変わりなく、薬物療法はあくまで補助的なものにすぎません。お薬を飲み始めても、今まで通り食事、運動には十分気を付けましょう。

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  ヒューマログオイグルコン2.5オイグルコン1.25アマリル3mgタブアマリル1mgタブ
  アクトス30アクトス15ベイスンファスティック30ファスティック90
  メルビンキネダック

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..血糖を下げる薬剤
1 インスリン製剤
  ヒューマログ:超速効型インスリン製剤
2 インスリン分泌を促進する薬剤(SU剤)
  オイグルコン:インスリン分泌を促し、血糖値を下げる
アマリール:上記に同じ
3 インスリンの抵抗性を改善する薬剤
  アクトス:インスリンの効果を促進する
4 食後過血糖を抑える薬剤
  ベイスン:ブドウ糖の吸収を遅らせる
ファスティック:即効性・短期型のインスリン分泌促進剤
5 糖の分解を促進したり、糖の新生を抑制する薬剤(BG剤)
  メルビン:肥満型の糖尿病患者に適用
.合併症の治療薬
  キネダック:末梢神経障害の改善


1 インスリン製剤
体内のインスリン分泌が十分でない場合には、インスリン製剤の注射を行います。注射するインスリンの種類、量、回数については、それぞれの患者さんに合ったものが選ばれます。
沍^糖尿病の方は必須で、型糖尿病の方でもインスリンの分泌が十分でない場合には、インスリン注射の対象となります。
インスリン製剤の種類 ※青字の商品は当クリニックで使用している製剤
分 類 商品名 単位/容量 作用時間(時間)
作用発現 最大作用発現 作用持続
超速効型 ヒューマログ注カート 300U/3ml 約0.25 約5
速効型 ノボリンR注40
ノボリンR注100
ペンフィルR注
ノボレットR注
400U/10ml
1,000U/10ml
150U/1.5ml*
150U/1.5ml*
約0.5 1〜3 約8
ヒューマリンR(U-40注)
ヒューマリンR(U-100注)
ヒィーマカートR
400U/10ml
1,000U/ml
300U/3ml
0.5〜1 6〜8
中間型 ノボリンN注40
ノボリンN注100
ペンフィルN注
ノボレットN注
400U/10ml
1,000U/10ml
150U/1.5ml*
300U/3ml
約1.5 4〜12 約24
ヒューマリンN(U-40注)
ヒューマリンN(U-100注)
ヒューマカートN
400U/10ml
1,000u/10ml
300U/3ml
1〜1.5 8〜12 16〜24
モノタード注40
モノタード注100
400U/10ml
1,000U/10ml
約2.5 7〜15 20〜24
混合型 ノボリン30R注40
ノボリン30R注100
ペンフィル10・20・30・40・50R注
ノボレット10・20・30・40・50R注
400U/10ml
1,000U/10ml
150U/1.5ml*
300U/3ml
約0.5 2〜8 約24
ヒューマリン3/7
(U-40注、U-100注)
ヒューマリン3/7
400,1,000U/10ml
300U/3ml
0.5 1〜8 24
持続型 ノボリンU注40
ノボリンU注100
400U/10ml
1,000U/10ml
約4 8〜24 24〜28
ヒューマリンU(U-40注)
ヒューマリンU(U-100注)
400U/10ml
1,000U/10ml
4〜6 8〜14 24〜28
*300U/3ml製剤もあり

ヒューマログ注カート:3000/30ml

インスリン注射に際しての注意事項
必ず決められた量を注射しましょう。
注射するインスリンの量が少なすぎると十分な効果が得られず、多すぎると低血糖症状などの副作用が発現することがあります。
1日3食きちんと食べましょう。
食事を取らずにインスリン注射だけ行うと、低血糖症状などの副作用が発現することがあります。
低血糖症状(異常な空腹感、脱力感、発汗、手足のふるえ、ふらつき等)がおこった場合は、速やかに糖分(砂糖、アメ玉など)を取りましょう。
体調が悪い時(シックデー)の注射については、自己判断せず、主治医に相談しましょう。
インスリン製剤を高温になる場所に放置したり、凍結しないようにしましょう。
インスリンの効果が減弱することがあります。
予備のインスリンは冷蔵庫(2〜8℃)で保管し、注射器にセットしたら室温で保管しましょう
注射器を冷蔵庫に入れると、水滴がついて故障することがあります。
注射部位は毎回かえましょう。(約2cmずらして注射する)
同じ場所で打ち続けると、皮膚が硬くなることがあります。
注射後、注射部位はもまないようにしましょう。
効果が強く出ることがあります。






2 インスリン分泌を促進する薬剤(SU剤)
膵臓からのインスリン分泌を促し、血糖値を下げる薬剤で、一般にスルホニル尿素剤(SU剤)と呼ばれます。糖尿病治療において、最もよく使われている薬剤の一つです。
 型糖尿病で、膵臓からのインスリン分泌能が十分ある患者さんが対象となります。


..服用方法
  食前で処方されることが多いですが、他の薬と同時に処方される時には、患者さんの煩わしさ、飲み忘れの可能性を考慮して食後に処方されることもあります。回数は症状に応じて1日1〜2回。

..副作用
  低血糖症状。
SU剤は、インスリンより半減期が長い為低血糖症状が遷延化する恐れがあるので注意が必要です。
その他、消化器症状、皮膚症状などがあらわれることがあります。

オイグルコン2.5 オイグルコン1.25
オイグルコン:2.5mg オイグルコン:1.25mg

アマリール3 アマリール1
アマリール:3mg アマリール:1mg
その他、グリミクロン、ラスチノン、ダイヤビニーズ、ジメリン、トリナーゼ、デアメリンSなどがあります。





3 インスリンの抵抗性を改善する薬剤
インスリンは正常な人と同じ程度分泌されているにもかかわらず、インスリンの効果が十分でないことがあります。このような状態を「インスリン抵抗性」があるといいます。
インスリン抵抗性は、肥満の型糖尿病患者に多くみられます。
インスリン抵抗性改善薬は、インスリン分泌には影響せず、インスリンの作用部位である肝臓や筋肉に作用して、インスリンの効果が十分発揮できるようにする薬剤です。


..服用方法
  朝食直前または朝食後に1日1回。

..副作用
  単独での使用では低血糖症状はほとんど起こりませんが、SU剤と併用する場合には発現する可能性がありますので注意が必要です。
最も多い副作用はむくみ(浮腫)で、下腿や足が腫れたり、顔面やまぶたが腫れぼったくなる症状がみられることがあります。その他、体重増加、息切れ、動悸などの症状がみられることもあり、特に心臓に病気のある患者さんは注意して下さい。
また、まれではありますが、肝機能障害の報告もありますので、定期的に肝機能検査を受ける必要があります。

アクトス30 アクトス15
アクトス:30mg アクトス:15mg







4 食後過血糖を抑える薬剤
●α−グルコシダーゼ阻害薬
この薬剤は小腸に作用して、食物中の糖質ブドウ糖に分解する酵素(α−グルコシダーゼ)を阻害し、ブドウ糖の吸収を遅らせることにより、食後過血糖を抑える薬剤です。
単独で用いられるのは、軽症の型糖尿病患者に限られますが、他の血糖降下剤と併用して広く使われています。


..服用方法
  この薬剤は、胃腸内で食物と一緒にあると最も効果が高いので、食直前に服用して下さい。
のみ忘れた場合、思い出したのが食事中であればすぐに服用し、食後であれば次の食前まで服用しない。ただし、のみ忘れたからといって、2回分まとめてのむようなことはしないで下さい。

..副作用
  最も多いのは、腹部膨満感、放屁の増加、腹痛、軟便などの消化器症状ですが、投与継続中に軽減したり、消失することが多いようです。
この剤を服用して発現した低血糖には、しょ糖ではなく、ブドウ糖の摂取が必要です。ブドウ糖は病院、薬局で貰えます。もし、携帯していなかった場合には無糖以外の清涼飲料水を飲むとよいでしょう。

ベイスン ベイスン:0.2mg(ベイスンには他に0.3mg製剤もあります)
α−グルコシダーゼ阻害薬としては、その他にグルコバイがあります。

●速効性インスリン分泌刺激薬
SU剤と同様に、膵臓からのインスリン分泌を促進し、血糖値を下げる薬剤ですが、SU剤よりも効果発現が早く、作用時間も短い。食後の過血糖を抑えるのに適しており、遷延性の低血糖も起こしにくい薬剤です。


..服用方法
  食前10分以内。
効果発現が早い為、服用時間と食事の間をあけ過ぎると、食前に低血糖を起こす可能性があります。

..副作用
  最も多いのが低血糖で、その他に腹部膨満感、放屁の増加等の消化器症状があります。

ファスティック90 ファスティック30
ファスティック:90mg ファスティック:30mg
その他、ファスティックと全く同じ成分で販売名が異なるスターシスという薬剤があります。






5 糖の分解を促進したり、糖の新生を抑制する薬剤(BG剤)
膵臓からのインスリン分泌には影響せず、抹消組織での糖の利用を高めたり、肝臓での糖新生を抑制したりすることによって、血糖降下作用を示す薬剤です。
肥満の型糖尿病患者がよい適応となります。


..服用方法
  1日2〜3回、食後に服用する。

..副作用
  乳酸アシドーシス(初期症状:悪心、嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸症状、倦怠感、筋肉痛、過呼吸など)を起こすことがあるので注意が必要。

メルビン メルビン
その他に、ジベトスBやメルビンと全く同じ成分で販売名が異なるグリコランがあります。






合併症治療薬
糖尿病性末梢神経障害治療薬(キネダック)

糖尿病を長年患っていると、手足のしびれ、痛みなどの症状が認められることがあります。この症状を糖尿病性神経障害といいます。この原因の一つとして、神経組織でブドウ糖の分解産物であるソルビトールが蓄積することが考えられています。ソルビトールはアルドース還元酵素という酵素がブドウ糖を分解することにより作られます。
キネダックはアルドース還元酵素の働きを阻害し、ソルビトールの増加を抑えることにより、末梢神経障害を改善します。キネッダクの効果発現は緩やかですので、一定期間服用することが必要です。また、合併症の治療の基本は血糖値を下げることですので、血糖管理はしっかりやりましょう。

..服用方法
  1日3回、毎食前に服用します。飲み忘れたら、食後に飲んで下さい。

..副作用
  肝機能検査値(GOT、GPTなど)の上昇、腹痛、嘔吐、倦怠感などが認められています。

..その他
  キネダックの服用により、尿が赤く着色することがあります。

キネダック キネダック


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