Q1 40歳の会社員で、営業を担当しています。会社の検診でオシッコに糖が少し出ているということで、会社の産業医のアドバイスもあり、今年の6月に食事をせずに近くの病院に行き、血を検査してもらったところ「糖尿病のけがある」といわれました。7月に入り、指をカッターで切り自分で手当していたのですが酷く化膿してしまい、近くの外科を受診したところ「糖尿病をほったらかしているからこんなになってしまうんだ」と言って怒られました。ちゃんと病院に行ったのに、なんでこんな目に遭わなければいけないのか納得いきません。私は糖尿病だったのでしょうか?それとも糖尿病でなかったのでしょうか?
A1:
私が糖尿病専門外来をしていて、患者さんが「前に糖尿病のけがあると言われたことがあるが、糖尿病ではないと思いあまり気にはかけていなかった」と良くいわれるのです。『糖尿病のけ』とは何なのでしょう?『糖尿病のけ』という診断名は存在しません。きちんとした診断があって初めてきちんとした治療ができるのです。最初の病院を受診した時点で糖尿病になっていたのかどうか、はっきりしたことは断定できませんが、経口ブドウ糖負荷試験などちゃんと検査すれば、糖尿病と診断できたのはほぼ間違いないと思われます。また、外科の先生が怒られたのは、大変血糖が高くなっていたためでしょうが、血糖が高いと、細菌などをやっつける白血球の働きが悪くなり化膿しやすくなるからです。また炎症が起こり、それがさらに血糖をあげたのでしょう。傷の具合によっては、専門医を受診し一時的にインスリンなどを使用し、良好な血糖コントロールが必要になると思われます。

Q2 54歳の主婦です。狭心症と糖尿病で心臓の病院にかかってます。眼科の病気で近くの病院を受診したところ、そこに時々来る糖尿病の先生に「腎臓がかなり悪くなってます。オシッコにタンパクがたくさん出ています。将来透析になる可能性があります」と言われました。私は毎月採血を心臓の先生にしてもらっていますし、その時に時々腎臓や肝臓の検査も一緒にしてもらっています。そしていつも、腎臓も肝臓も問題なし血糖もまあまあと、ちゃんと診断してもらっています。どちらも立派な先生なので、どちらの先生の意見を信頼すべきか迷っています。
A2:
血液でわかる腎臓の検査でよく測られるものに、尿素窒素(=BUN)とクレアチニンがあります。しかしこれに、異常が出てくるのは、腎臓の働きが正常な人の30〜50%まで低下して初めて異常が出てくるのです。糖尿病の人の場合これらの数字が上がって来るのは、糖尿病性腎症のいよいよ最後の方なのです。一般的に糖尿病性腎症の場合、いつ測ってもオシッコにタンパクが出るような状態のときには、徐々に悪化し5〜10年で腎不全になるといわれています。タンパク尿が出る前に、尿中には、微量のアルブミンなどが出ている期間が長くあるので、その時期または、まだアルブミンが出る前にきちんとした治療をすることが、腎臓を助ける最も効果的な方法です。あなたの場合、ご質問の内容からは、今から腎臓を元に戻すことは、ほとんど不可能と思われますが、少しでも長く透析をせず、自分の腎臓で生活出来るように腎臓を保護しながら治療していくべきでしょう。糖尿病の専門医を受診することをお薦めします。

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